剥落止め処置を行っている絵や紋様は明治時代前期頃に描かれたと推察しています。
そして、この明治時代の彩色の下に、制作年代の違う紋様の痕跡が重なって残っている箇所が確認されました。これらの痕跡をトレースし記録する作業も行っています。
彩色の制作履歴の調査はこれから本格化してゆきます。
身舎の背面の板壁はかびや土汚れが堆積し、修理前は図柄が部分的にしか確認できませんでした。汚れやかびを除去し、絵具の剥離箇所を接着する処置を根気良く行ったところ、
馬の全体像が現れました。背面に向かって右側に白馬、中央に栗毛の馬、左側に黒馬が描かれています。